Stay Home, Stay Cool !!

夏の室温対策

アメリカでは、大統領選まで後10週間余りとなり、コロナ禍での熱い選挙戦が繰り広げられています。一方海の向こうの日本はとにかく暑い!!関東や西日本の内陸では40度超えも何度か記録し、連日命の危険を感じる猛暑日で、熱中症が多発しているとのこと。コロナ感染下での「三密」よりも最近では「三とる」という耳慣れない言葉を聞くようになっているとか。(人がいない時は)マスクを「とる」、水分を「とる」、睡眠を「とる」ということで、熱中症対策では適宜マスクを着脱するように呼びかけられているようです。

熱中症といえば、運動中の学生が救急車で運ばれたり、農作業中のお年寄りが病院に運ばれてお気の毒に命を落とされたというようなニュースを耳にしますが、総務省の調査では熱中症の発生場所で一番多いのが住宅内で、全体の38.6%を占め、路上での15.6%、屋外での12.5%を大きく上回っているそうです。

残念な数字ですが、記録的猛暑の年だった2018年には1,500人以上の方が熱中症で亡くなられ、翌2019年にも1,200人を上回る方が命を落とされています。一夏で、これまでの日本でのコロナ感染による死者約1,100人を上回っているのは驚きです。

家の中で熱中症にかかる人がそんなに多いということは、家の室温が上昇する原因が気になるところ。家の中の温度が上がる大きな原因は、夏の強い日差しが室内に入ってくることだそうで、外気熱は家の屋根や外壁、窓、ドア、また床からも入ってくるとのこと。でも外気の熱の73%は窓やドアから入り、次いで屋根の11%、外壁の7%とのことです。外からの熱の影響を少なくする断熱対策が重要、また室内にこもり暖まった空気を一旦換気することも必要だそうです。最近では24時間換気システムが義務化されている住宅やマンションも多くなっています。

部屋の暑さの原因のもう一つが、風通しの悪さ。風通しが悪いと室温が上がりやすく、空気も循環しづらいので、蒸し蒸しして不快指数もアップします。秒速1mの風が吹き抜ければ、体感温度は1℃下がります。最近の家では、ドアを閉めたまま風を取り込む採風ドア、窓の高低差で空気の流れを作る工夫などが施されています。また、健康でエコな生活をする最近の傾向として、自然のエネルギーを利用するパッシブデザインが取り入れられ、軒や庇の長さに工夫を凝らすだけでなく、窓の取り付け位置などもしっかりと検討されているようです。窓のカーテンのみでは太陽熱の45%しかカットできないのに対して、シェードをつけることによって83%もカットされるという実験結果もあるそうです。

日本を代表する建築家、隈研吾氏は、コロナ後の建築として、『突出する、勝ち誇る建築よりも土地に根ざした風通しのいい建築』ということを最近おっしゃっています。この暑い夏、またコロナの影響で家にいる機会が多くなっている中、快適で健康な生活を送るために家の中身を一度点検してみてはいかがでしょうか?


NY建築物あれこれ』その1

1492年にコロンブスが西インド諸島に到着したのを皮切りにヨーロッパ人による南北アメリカ大陸の探検・開拓が始まったアメリカ。ヨーロッパや中国、日本に比べると断然歴史が浅いアメリカですが、歴史的な建物や地域を合衆国政府が指定・保存する制度「ナショナル・ヒストリック・ランドマーク(NHL)」があります。現在全米で約2,500の建物や場所がNHLに指定され、そのうちニューヨーク市内には116の建築物と地域があります。本コラムではNHLを中心としたニューヨークの古い建物と、最新の建築物や地域開発についてご紹介していきます。暇つぶしにどうぞ!

■ニューヨークの最も古い建築物は?


ブルックリンのカナージー(Canarsie)という地区にあるWyckoff Farmhouse MuseumNY市で最も古い建物とされています。ミルトン・フィドラー公園内にある美術館で 1652年築のオランダコロニアル様式(屋根の形に特徴あり)、NHL及びNY市の歴史的建造物に指定されています。建て主は西インド会社のディレクターを務めたWouter van Twillerで、建物の大部分は19世紀に増築されたもの。美術館は金土の午後のみ一般開放され、30分おきにツアーが開催されているほか、移民時代の生活や文化を学ぶ子供向けプログラムがあり、年間5000人ほどの生徒が訪れています。ブルックリンの住宅街の一角にこんなに古い建物が残っているとはびっくりですね。



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