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Showing posts from April, 2021

セントラルパークのスカンクキャベツ

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朝晩は冷え込むものの日中の気温は 20 ℃前後まで上昇するようになり、ニューヨークにもようやく春がやって来ました。セントラルパークの桜はもう散り始めましたが、ライラックやツツジ、スイセン、チューリップの花が咲きほこり、訪れる人の目を楽しませています。 ふと、セントラルパークでは年間を通じてどんな草木の花が咲くのか気になって調べたら…ありました!セントラルパークの自然保護を目的とする NPO 、 Central Park Conservancy のウェブサイト には月ごとに咲く花のリストと簡単な説明、公園のどこで見られるのか地図も付いた Bloom & Tree Guide のページがあり、とても便利です。 4 月に咲く花を見てみると、 Bloodroot 、 Cushion Spurge 、 Eastern Redbud 、 Japanese Flowering Quince …日本の草ボケもあると知ってびっくり。更にリサーチを続けると Skunk Cabbage と言う妙な名前の植物を発見。 お世辞にもかわいくない姿のこの植物はザゼンソウの仲間で、開花する時に発熱すると同時に悪臭を放つそうです。日本では僧侶が座禅を組んでいるように見えるためザゼンソウと呼ばれ、アメリカではその臭い匂いからスカンク・キャベツと呼ばれる、お国が変わると花の名前も全く変わるんですね。

ワクチンって何?

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前回のニュースレターではワクチン接種が雇用や働き方にも影響するということをお話ししました。筆者は、その後運よくワクチン接種の予約が取れ、 4 月 7 日に一回目のワクチン(ファイザー社製)を接種することが出来ました。接種後は受けた方の腕に半日ほど若干の痛みを覚えた以外は特に深刻な副作用はありませんでした。 最近になって、ごくまれにではありますが、アストラゼネカ社やジョンソン&ジョンソン社のワクチンで血栓ができる副作用が発表されました。ワクチンとの因果関係は今のところ不明ですが、亡くなられた方もいるため、米国では FDA と CDC がジョンソン&ジョンソン社のワクチン接種を一時中断して調査することになりました。同社の血栓の症例は、 7 百万件のうちの 6 件という極て少数ではありますが、慎重な対応が接種の中断期間を長引かせる可能性もあります。また、この症例がワクチンへの猜疑心を助長して、ワクチン接種の進捗を滞らせるのではないかという懸念も出ています。現在世界中でワクチン接種が進められていますが、今後もその効果や副作用への慎重な見極めが必要なようです。 そもそもワクチンとは、様々な感染症の予防に用いる医薬品ですが、この名称は、ラテン語の Vacca (ワッカ=雌牛)に由来し、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛から取られたため、この名がつけられたそうで、日本語のワクチンはドイツ語( Vakzin )の発音から来ているようです。 一般的に『ワクチン』と呼ばれるものには従来以下の 2 つがありました。 (1) 生ワクチン (2) 不活性化ワクチン 生ワクチンは感染力があるウイルスを弱毒化して体に入れる、というもので、代表的なものには、水ぼうそう・おたふくかぜ・風疹ワクチンがあります。実際に感染させるため、強力な免疫をつけることができます。 不活性化ワクチンは、ウィルスを感染できない残骸にした状態で投与するもので、インフルエンザのワクチンが代表的なものです。 これら従来のワクチンに対して、ファイザー社やモデルナ社は、新しいメッセンジャー RNA ワクチンで、ウィルスそのものを投与するのではなく、遺伝子をコード化した物質を 遺伝情報として 投与するため安全とされています。この遺伝情報を筋肉注射することで細胞に情報が取り込まれ、細胞内でウィルスのたんぱく質が作られ、これが

5番街ニュースその4

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「ケーキ」と言う名のケーキ屋さん…と言っても日系ではないのですが、アジアを旅した NY チャイナタウン出身のキムさんとウェイさんが日本や台湾、韓国で食べたケーキの美味しさが忘れられず、韓国系のシェフと3人で 2017 年チャイナタウンに「 Keki 」をオープン。 NY アップステートとペンシルベニア州ランカスター産の新鮮なケージフリー卵とオーガニックミルクを使用し、毎日店内で焼き上げるケーキはふわふわでさくさく、シンプルでリッチな風味が人気を呼び、ミッドタウン 32 丁目に第 2 店舗をオープンしました。 一番人気のシュークリームはミルク、ウベ(紫いも)、ピスタチオ、クッキー&クリーム4種類のフレーバーがあり、いずれもクリームがわんさか入っていますが、甘さ控えめでふわっと軽いクリームなのでペロッと食べられます。大阪で食べたチーズタルトに影響を受けたというチーズタルトは香ばしいタルト地ととろ~り濃厚なチーズクリームのハーモニーが絶妙(いずれも$ 4.75 )。チーズケーキはスフレタイプとむっちり濃厚の2タイプがあるほか、抹茶やイチゴなどのクリームベースのホールケーキがあり、手土産に持って行けば喜ばれること間違いなし。 Keki ■Midtown: 315 Fifth Avenue, New York, NY 10016   (5番街 32 丁目を東側に曲がってすぐ) ■Chinatown: 79 Mott Street, New York, NY 10013 いずれも 12:00 ~ 19:00 www.kekimoderncakes.com

コロナ禍での日米往復体験記

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筆者は 2 月下旬から 3 月末まで私用のため日本に一時帰国しました。まず、この時期に日米を往復するのは大変です。(航空会社の方にはお叱りを受けるかもしれませんが、)やむを得ない理由がない限り、あまりお勧めしません。 ご存じのようにアメリカから国際線に乗る際と、日本から乗る国際線の両方で搭乗の前 3 日以内のコロナ( PCR )検査と陰性証明が必要になります。幸い筆者はどちらも陰性の結果でしたので、予定通りのフライトに乗って往復できました。ただ、症状がなくても万一陽性の結果が出たらどうしようという不安、その場合フライトを取り直し、 2 週間程度予定を変更する煩わしさとコスト、これは精神的、財政的負担が大きいです。また、日本に到着すると空港でまたコロナ検査を受けなければなりません。結果は1~ 2 時間で出ますが、万一陽性だと家には戻れず、そのまま特定の隔離施設に送られます。陰性でも公共の交通機関の利用は厳しく制限され、筆者は都下の実家までレンタカーで帰宅しました。羽田到着時間が夜遅く、コロナ検査の結果が出て解放された時間にはレンタカー会社が閉まっているため、空港内のホテルに一泊、翌朝早くに車をピックアップしました。 一回の往復で、米国出発前に一回、日本の空港到着時と出発前の医療機関で計2回、合計3回の PCR 検査を受けることになります。日本から出発前の医療機関での検査と陰性証明をもらうためには大体3~4万円の自己負担金がかかり、コストとしては馬鹿になりません。ご参考まで、検査機関を調べるには経産省と厚労省が審査をした検査機関を紹介している TeCOT (海外渡航者新型コロナウイルス検査センター: Testing Center for Overseas Travelers )に登録して、検索するのが便利です。筆者はこの TeCOT で見つけた神田のクリニックで検査をしました。費用は証明書も含めて 16,500 円で対応もよく、翌日には英文の検査結果を受け取りました。 日本滞在中は到着後 2 週間毎日保健所から健康確認の email を受け取り、返信が必要でした。ニューヨークの空港に戻った際は空港での PCR 検査はなく、公共の交通機関も利用できましたが、帰米後 3 ~ 5 日以内のコロナ検査が奨励されています。 やむを得ず帰国せねばならない方は、事前の調査

ワクチン接種と働き方

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もう皆様はコロナのワクチンを接種されましたか? バイデン大統領は、今年の 5 月末までには成人全員にワクチン接種がいきわたる見通しであることを発表しましたが、一方、イギリスやブラジルなどから始まった変異株の流行で第四波が来るのではないかという危惧もあります。 コロナの感染拡大で働き方が大きく変わり、まだオフィスには戻らず、リモートでの仕事を続けている読者の方も多いと思います。最近の New York Times の記事によりますと、多くの雇用主は、社員の多数がワクチン接種を終えるまで、職場に復帰させるかどうかの判断はできないとしています。また、社員それぞれの判断で、週 3 日程度オフィスに戻ることも選べる、いわゆる「 Hybrid 」型の雇用体制を計画している雇用主も増えているとのことです。ただ、雇用主の思惑と社員、特に若い社員の考えには多少ずれがあるようです。 PwC のコンサルティング部門の調査によりますと、調査対象者の 55 %の社員は、コロナの感染が収まった後も、少なくとも週 3 日はリモートでの仕事を選好しているのに対し、 68 %の雇用主は社員に週 3 日は職場に戻ってもらいたいと考えているとのことです。その理由の最も大きなものは、「 Corporate Culture 」を維持するためというものでした。特に役員級の方たちは、机を並べて一緒に仕事をすることで「 Collaboration 」の意識が高まり、また若手社員が会社の Culture- 「 The heart and soul of the company 」を育むために役立つと考えているとのことです。 社員を職場に戻すタイミングは、ワクチン接種の進捗以外に子供たちの学校がリモートから教室での授業に移行する時期にもよるとのことです。確かに小さな就学児童を抱える親にとって職場復帰の判断は学校での授業開始時期に左右されるのは当然かも知れません。 更には、リモートか職場復帰かは地域差があるようで、テキサス州の大都市では約 3 分の 1 が職場復帰しているのに対し、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴなどの復帰率はまだ 20 %以下という調査結果があります。公共の交通機関での感染を懸念する都市と、自家用車での通勤が一般の都市では人々の考え方にも違いがあるようです。