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GCTとその周辺

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  グランドセントラルターミナル (GCT) の西隣りに 93 階建ての超高層ビル One Vanderbilt がこの 9 月にオープンした。ビル正面ロビーに面した Vanderbilt Avenue をつぶして GCT までの 1 ブロックを広場としたことで、 42 丁目角の GCT メインエントランスの魅力が引き出されて GCT ビル西側が生き返ったようだ。 GCT は 1903 年に工事着工、 1913 年に開業している。当時の技術と時代の要請のなかで完成した GCT から今日に至るまでいろいろと想いを巡らせるのも面白い。 GCT 以前にあった Grand Central Depot (1871 年 ) は鉄骨とコンクリートで建てられていたし、 1851 年には第一回万国博覧会で鉄骨とガラスの水晶宮がロンドンのハイドパークに建てられた。 そのように  18 世紀後期からモダンへの流れが既に始まっているなか、ローマ ギリシャ風の太い柱をデザインモチーフとして前面に押し出した古典へと回帰している GCT は 42 丁目 5 番街のニューヨークパブリック図書館とともにアメリカンボザールの代表建築として挙げられている。   アメリカンボザールとはフランス国立美術学校エコール・ド・ボザールで建築を学んだ米国の建築家が持ち帰り、ヴィクトリア様式に代わって主流となったそうだ。アメリカンボザールは「 基本的に手本となる本家ヨーロッパの建築作品と比べ一回り、ときには二回りも建築サイズが大きく、プロポーションやアカデミックな正確さなどが配慮されずに装飾が用いられ、彫が深く大味な印象を与えている。」 と Wikipedia にある。このくだり古典主義までもアメリカに来るとそうなるのかと笑ってしまった。 モダンデザインを牽引したバウハウスの創始者ワルター・グロピウスは GCT の背景に控える Met Life 、元々の Pan Am ビルを手がけている。装飾を排除し、工業技術に支えられた近代社会を体現している幾何学的なグリッドを背景に、表情豊かに建つ GCT は実に様になっている。   東隣のハイアットグランドセントラルは解体され、新しく建て替えられる予定で、いずれ GCT は三方をスカイスクレイパーに囲まれることになりそう...

青いシェアバイクでニューヨークを走る

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 ニューヨーク市内を歩いていると綺麗に整列された青い自転車をよく目にします。この自転車、 Citi bike は 2013 年に始まったドック型の自転車シェアプログラムで、近年ではコロナパンデミックの影響もあり利用者が増え、全体で 20,000 台の自転車と 1,300 以上のドッキングステーションを完備、地域はマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、ジャージーシティまで拡大しています。  すっかり秋の気候になった近頃、ずっと気になっていたこの citi bike をお試し感覚で数回使用した結果、とても気に入り、年間メンバーシップを購入しました。そのシェア自転車の経験を紹介したいと思います。  初めて使用する際に、まずは citi bike 専用アプリをスマートフォンにダウンロードします。配車アプリの Lyft に既に登録してあれば、個人情報を再度入力する必要がなく直ぐ 使用開始できます。料金は、1回の利用(シングルライド)の場合、 30 分間で$ 3.5 、 30 分を超えた時は 1 分ごとに$ 0.18 が加算されます。年間メンバーシップは$ 179 (税込$ 194.88 )で、 1 回ごとに 45 分間の走行が可能になります。月$ 15 という宣伝文句がありますが、月割りした金額を示しているだけで、月ごとの契約プランはありません。料金形態や利用条件、サービスなどは頻繁にアップデートされることが予想されます。  専用アプリを開くと、地図上に全てのドッキングステーションの位置と、各ステーションの使用可能な自転車の台数が実況表示されるので非常にわかりやすく、また市内のステーションの多さに驚きます。帰宅時間帯になると大型駅の周辺や、市内から郊外へ渡る橋周辺の自転車はほとんど出払ってしまうことから利用者の多さが見受けられます。  ステーションで乗る自転車を選んだら、アプリから QR コードのカメラを起動して、ハンドルの中央にプリントされている QR コードを読み取ると自転車のロックが解除され、使用可能になると同時にアプリで時間のカウントが始まります。サドルの高さ調節も簡単にでき、走行中のギアチェンジも細かく効き、暗くなると自動でライトが点くので安心です。目的地に着いたら、近くのステーションでドックに自転車を押し込み、ランプが緑に点灯したことを確認し、ア...

アンティーク家具の宝庫、ハドソンバレーへの小旅行

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  Work from Home の影響により、ご自宅の家具レイアウトを変更したり、インテリアを充実された方も多いと思います。そこで今回は夏の小旅行も兼ねて、アンティーク家具のメッカでもあるハドソンバレーについてご紹介します。 マンハッタンから車や列車で 2 時間ほど北上した場所にあるハドソンバレーは、緑豊かで、農場からの新鮮な食品やワイナリーが豊富な地域です。また、国家遺産に指定される渓谷や、壮大な景観が芸術家たちにインスピレーションを与え、ハドソンリバー派と呼ばれる画家達の作品が生まれたことでも有名です。 近年ではブルックリンで活動をしていたアーティスト達が、家賃や物価上昇に伴い、新たな制作活動の場所を求めてハドソンバレーに移り住んでいることでも注目されています。こうした感度の高いニューヨーカーが集まり、歴史的文化と最新トレンドやアートをミックスさせた独自なスタイルを生み出しています。 ハドソンのウォーレン・ストリート 中でも人気があるハドソンは、ハドソン川上流に隣接したエリアで、 1609 年にこの川を初めて航海したイギリス人探検家、ヘンリー・ハドソンにちなんで名付けられました。 18 世紀後半には捕鯨船員達によって港がつくられ、工業地帯としても繁栄しましたが、 19 世紀後半から 20 世紀前半にかけては、売春やギャンブル、そして禁酒法時代には密造酒の中心地となり、州警察が違法行為を取り締まるようになると、街は衰退していきました。その後、ハドソン鉄道駅が改修されたことで不動産への関心が高まり、そして数多くの歴史的建造物の修復が行われました。 現在でも、ギリシャ復興期の家やヴィクトリア朝の邸宅など、様々な建築様式の美しい建物が沢山残っており、街のいたるところで当時の雰囲気を味わうことができます。また、安い家賃で大きなスペースを借りられる為、多くのアンティークやヴィンテージショップ、ギャラリー、カフェなどが軒を連ねています。マンハッタンやブルックリンとはまた違う個性的でヒップなお店が多く、歩いているだけで刺激を受けます。 ウォーレン・ストリートの店舗 The Antique Warehouse Hudson NY メインストリートから車で 5 分ほど離れた川の近くには、驚くほど多くのアンティーク商品を扱う倉庫があります。この巨大な倉庫は、アメリカ北東...

ボザール様式の図書館とライオン

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  ボザール様式とは パリ にあるフランス国立美術学校 エコール・デ・ボザール で 建築 を学んだ米国人 が 米国に戻り設計した建築様式を指すもので、別名アメリカン ルネッサンス とも呼ばれています。 古代ギリシャとローマの古典的な建築とルネサン ス様式が融合したスタイルで、 秩序、対称性、豪華さ、精巧な装飾を特徴とします。 米国での ボザール様式ブームは 1885 年から 1925 年までと短い間でしたが、それは米国産業が躍進的に成長した時期と重なり、その間に建てられた博物館、銀行、裁判所、政府の建物など多くの公共建築物にボザール様式が用いられました。マンハッタンで見られるボザール様式としてグランドセントラルターミナル、コロンビア大学ロウ記念図書館、アメリカ自然史博物館、カーネギーホールなどがあり、いずれも壮大で圧倒的な存在感があります。 5 番街と 42 丁目の角に建つ NY 公共図書館本館(名前に「 Public 」とついていますが官営ではなく民間の非営利団体による運営)もボザール様式です。元々あった私立のアスター図書館とレノックス図書館が統合され公共図書館となり、 NY 州知事を務めたサミュエル・ティルデンの遺贈や鉄鋼王アンドリュー・カーネギーからの莫大な寄付をもとに新しい図書館システムを構築、 1987 年、老朽化のため放置されていた配水池跡地に図書館建設を決定。設計コンペには 88 案が提出され、一次選考で 12 案が、最終選考に3案が残り、優勝は当時無名だったカレール&ヘイスティングスが勝ち取りました。 The Rosa Main Reading Room 1900 年に基礎工事開始、おおがかりな建設ゆえに工事はなかなか進まず、外装工事が終わったのは 1907 年末、塗装と内装工事が終わるには更に4年ほどかかりました。 1911 年 5 月 23 日、ウィリアム・ H ・タフト大統領が主宰して図書館の開館式が行われ、当時アメリカで最大の大理石建築物と謳われた図書館を一目見ようと 15,000 人もの市民が集まりました。 その開館式の大騒ぎを静かに見守っていたのは図書館正面玄関の左右にいる2頭のライオンでした。彫刻家のエドワード・ C ・ポッターによるオリジナルモデルをブロンクスの石工会社がテネシー産のピンク大理石で制作したも...

ワクチンって何?

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前回のニュースレターではワクチン接種が雇用や働き方にも影響するということをお話ししました。筆者は、その後運よくワクチン接種の予約が取れ、 4 月 7 日に一回目のワクチン(ファイザー社製)を接種することが出来ました。接種後は受けた方の腕に半日ほど若干の痛みを覚えた以外は特に深刻な副作用はありませんでした。 最近になって、ごくまれにではありますが、アストラゼネカ社やジョンソン&ジョンソン社のワクチンで血栓ができる副作用が発表されました。ワクチンとの因果関係は今のところ不明ですが、亡くなられた方もいるため、米国では FDA と CDC がジョンソン&ジョンソン社のワクチン接種を一時中断して調査することになりました。同社の血栓の症例は、 7 百万件のうちの 6 件という極て少数ではありますが、慎重な対応が接種の中断期間を長引かせる可能性もあります。また、この症例がワクチンへの猜疑心を助長して、ワクチン接種の進捗を滞らせるのではないかという懸念も出ています。現在世界中でワクチン接種が進められていますが、今後もその効果や副作用への慎重な見極めが必要なようです。 そもそもワクチンとは、様々な感染症の予防に用いる医薬品ですが、この名称は、ラテン語の Vacca (ワッカ=雌牛)に由来し、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛から取られたため、この名がつけられたそうで、日本語のワクチンはドイツ語( Vakzin )の発音から来ているようです。 一般的に『ワクチン』と呼ばれるものには従来以下の 2 つがありました。 (1) 生ワクチン (2) 不活性化ワクチン 生ワクチンは感染力があるウイルスを弱毒化して体に入れる、というもので、代表的なものには、水ぼうそう・おたふくかぜ・風疹ワクチンがあります。実際に感染させるため、強力な免疫をつけることができます。 不活性化ワクチンは、ウィルスを感染できない残骸にした状態で投与するもので、インフルエンザのワクチンが代表的なものです。 これら従来のワクチンに対して、ファイザー社やモデルナ社は、新しいメッセンジャー RNA ワクチンで、ウィルスそのものを投与するのではなく、遺伝子をコード化した物質を 遺伝情報として 投与するため安全とされています。この遺伝情報を筋肉注射することで細胞に情報が取り込まれ、細胞内でウィルスのたんぱく質が作られ、これが...

コロナ禍での日米往復体験記

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筆者は 2 月下旬から 3 月末まで私用のため日本に一時帰国しました。まず、この時期に日米を往復するのは大変です。(航空会社の方にはお叱りを受けるかもしれませんが、)やむを得ない理由がない限り、あまりお勧めしません。 ご存じのようにアメリカから国際線に乗る際と、日本から乗る国際線の両方で搭乗の前 3 日以内のコロナ( PCR )検査と陰性証明が必要になります。幸い筆者はどちらも陰性の結果でしたので、予定通りのフライトに乗って往復できました。ただ、症状がなくても万一陽性の結果が出たらどうしようという不安、その場合フライトを取り直し、 2 週間程度予定を変更する煩わしさとコスト、これは精神的、財政的負担が大きいです。また、日本に到着すると空港でまたコロナ検査を受けなければなりません。結果は1~ 2 時間で出ますが、万一陽性だと家には戻れず、そのまま特定の隔離施設に送られます。陰性でも公共の交通機関の利用は厳しく制限され、筆者は都下の実家までレンタカーで帰宅しました。羽田到着時間が夜遅く、コロナ検査の結果が出て解放された時間にはレンタカー会社が閉まっているため、空港内のホテルに一泊、翌朝早くに車をピックアップしました。 一回の往復で、米国出発前に一回、日本の空港到着時と出発前の医療機関で計2回、合計3回の PCR 検査を受けることになります。日本から出発前の医療機関での検査と陰性証明をもらうためには大体3~4万円の自己負担金がかかり、コストとしては馬鹿になりません。ご参考まで、検査機関を調べるには経産省と厚労省が審査をした検査機関を紹介している TeCOT (海外渡航者新型コロナウイルス検査センター: Testing Center for Overseas Travelers )に登録して、検索するのが便利です。筆者はこの TeCOT で見つけた神田のクリニックで検査をしました。費用は証明書も含めて 16,500 円で対応もよく、翌日には英文の検査結果を受け取りました。 日本滞在中は到着後 2 週間毎日保健所から健康確認の email を受け取り、返信が必要でした。ニューヨークの空港に戻った際は空港での PCR 検査はなく、公共の交通機関も利用できましたが、帰米後 3 ~ 5 日以内のコロナ検査が奨励されています。 やむを得ず帰国せねばならない方は、事前の調査...

ワクチン接種と働き方

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もう皆様はコロナのワクチンを接種されましたか? バイデン大統領は、今年の 5 月末までには成人全員にワクチン接種がいきわたる見通しであることを発表しましたが、一方、イギリスやブラジルなどから始まった変異株の流行で第四波が来るのではないかという危惧もあります。 コロナの感染拡大で働き方が大きく変わり、まだオフィスには戻らず、リモートでの仕事を続けている読者の方も多いと思います。最近の New York Times の記事によりますと、多くの雇用主は、社員の多数がワクチン接種を終えるまで、職場に復帰させるかどうかの判断はできないとしています。また、社員それぞれの判断で、週 3 日程度オフィスに戻ることも選べる、いわゆる「 Hybrid 」型の雇用体制を計画している雇用主も増えているとのことです。ただ、雇用主の思惑と社員、特に若い社員の考えには多少ずれがあるようです。 PwC のコンサルティング部門の調査によりますと、調査対象者の 55 %の社員は、コロナの感染が収まった後も、少なくとも週 3 日はリモートでの仕事を選好しているのに対し、 68 %の雇用主は社員に週 3 日は職場に戻ってもらいたいと考えているとのことです。その理由の最も大きなものは、「 Corporate Culture 」を維持するためというものでした。特に役員級の方たちは、机を並べて一緒に仕事をすることで「 Collaboration 」の意識が高まり、また若手社員が会社の Culture- 「 The heart and soul of the company 」を育むために役立つと考えているとのことです。 社員を職場に戻すタイミングは、ワクチン接種の進捗以外に子供たちの学校がリモートから教室での授業に移行する時期にもよるとのことです。確かに小さな就学児童を抱える親にとって職場復帰の判断は学校での授業開始時期に左右されるのは当然かも知れません。 更には、リモートか職場復帰かは地域差があるようで、テキサス州の大都市では約 3 分の 1 が職場復帰しているのに対し、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴなどの復帰率はまだ 20 %以下という調査結果があります。公共の交通機関での感染を懸念する都市と、自家用車での通勤が一般の都市では人々の考え方にも違いがあるようです。

57丁目のスカイスクレイパーたち

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  マンハッタンと言えば摩天楼。「まてんろう」という響きも漢字の組み合わせも絶妙な言葉だと思いませんか? 摩天楼と和訳された元の言葉が「 Skyscraper 」、 1880 年代後半からアメリカの大都市に出現した高層ビルの〈天をこする〉ような姿からそう名付けられました。 1885 年、近代的構造原理に則った耐火性と採光に優れた高層事務所建築として「ホーム・インシュアランス・ビル」がシカゴに完成。この 10 階建てのビルがアメリカのスカイスクレーパー第1号と言われています。その後、 1913 年ニューヨークに 55 階建てのウールワースビルが、 31 年に 102 階建てのエンパイヤ・ステート・ビル、 73 年には 110 階建てのツインタワーが完成。摩天楼という言葉は NY の代名詞となりました。   時は流れて 2021 年。昨年のコロナによるロックダウンのため一時工事中断したものの、マンハッタンでは超高層ビルの建築が進んでいます。特に騒がしいのがミッドタウン 57 丁目界隈。 6 番街とブロードウェイの間 500 メートル足らずの距離に3棟の超高層ビルが建っています。中央は 2002 年に完成した高級コンドミニアム「 One 57 」で高さ 1,005 フィート( 306 メートル)。その西側が現在建築中の高級コンドミニアム「 Central Park Tower 」、高さ 1,550 フィート( 472 メートル)で現在マーケットに出ている物件の最安値が $8,500,000 (約 9 億 2,100 万円)、最高値が $65,500,000 (約 71 億円!! 月々の管理費$10,843 +タックス$20,094‼)。そして一番東側で完成に向けて日々姿を変えているのが「 57 th Street Tower 」。高さ 1,428 フィート( 435 メートル)、前述の「 Central Park Tower 」には高さで一歩引けを取っていますが、上層階に行くにつれ薄っぺらくなっていく独特なデザイン(上部が斜めに削られた割りばしのような形状)が目を引きます。 高層階の住人はエンパイヤやロックフェラーセンタービルの展望台より高い位置で毎日暮らすわけですね。ウェブサイトの上層階レンダリングを見ると、とんでもない高さの天井高と、一面ガラス窓か...

スター達とWELL Health-Safety Rating

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  レディーガガが国家を斉唱し、ジェニファー・ロペスが“ America, The Beautiful” や ”This Land is Your Land” を熱唱して盛り上げた大統領就任式は、厳戒態勢の下、混乱もなく無事終わりました。バイデン新大統領の就任演説も注目を集めましたが、それ以上に 22 歳のアマンダ・ゴーマンさんの力強い詩の朗読も大変な喝采を浴びました。アメリカ史上初の女性副大統領カマラ・ハリス氏の就任宣誓も大きな拍手で称えられ、女性の輝きの目立った就任式だったともいえるでしょう。異例づくめの今回の就任式は、コロナという目下の最大の敵との闘いの最中行われました。派手な演出が目立った式典でしたが、演壇に立つ人が入れ替わるたびにふき取り消毒が行われた光景も印象に残りました。 レディーガガ、ジェニファー・ロペスに加えて、マイケル・ジョーダン、ロバート・デ・ニーロと聞いて皆さんは何を連想されるでしょうか。既にご覧になった方もいらっしゃるかも知れませんが、これらの有名スターたちがテレビコマーシャルに登場し、建物が人の健康と安全に大きな影響を与えていることと WELL Health-Safety Rating を提唱しています。ご覧になりたい方は以下のリンクからどうぞ。 https://www.youtube.com/watch?v=Oq3-_XaqKaY WELL 認証を推進している IWBI ( International WELL Building Institute )は WELL   Health-Safety Rating の趣旨に賛同しているスターが登場する全国キャンペーンを 1 月 25 日からテレビ主要局で開始しました。 WELL 認証の生みの親である Paul   Scialla 氏も登場しているこのキャンペーンは WELL の認知度を高めるだけでなく、「建物とその中のスペースは人間の健康と安全にとって極めて重要で、 WELL Health-Safety Rating はコロナだけでなく、将来の危機対応の指針になる。」と主張しています。 コマーシャルに登場するスター達は、 WELL Health-Safety Rating 推進のアンバサダーとして今後も活動を続けるとしています。 WELL Health-Saf...

「脱炭素社会」とこれからの建築

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  1 月 20 日、この日付はアメリカ憲法上謳われている 4 年に一度大きな意味を持つ日です。 4 年或いは 8 年に一度、新旧大統領はこの日の正午に入れ替わりますが、今年はバイデン新大統領が物々しい警戒体制の中、誕生しました。異例の就任式を終えたバイデン氏はホワイトハウスの執務室に入り、早速初仕事として 15 本の大統領令を出しました。折からのコロナ感染拡大を食い止める重要な施策にもいくつか署名をしましたが、アメリカだけでなく世界にも長期的な影響をもつであろうものの一つに、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰することを国連に通達する文書にも署名をしました。この他にもカナダからメキシコ湾に原油を運ぶパイプラインの拡張計画を巡り、前政権の出した許可を取り消すなど、「脱炭素社会」に向け一気に舵を切りました。 「脱炭素」というと従来のガソリン車から電気自動車に転換を図るなどの最近の自動車業界の動き、広くは輸送業界の傾向を思い浮かべる方が多いかと思います。今日は、それ以上にこれからの「脱炭素社会」に大きな影響をもつであろう建物や建設業のお話を致しましょう。 国際エネルギー機関( IEA )の 2019 年の統計によると、世界の炭素排出の原因は、その 23 %が輸送関連であるのに対し、一般住居とそれ以外の建物全体で 28 %、建築関連産業で 11 %、建築以外の産業全体で 31 %、その他が 7 %という内訳になっています。また、建設資材自体とその採取、製造工程を含めると炭素排出全体の 50 %程度にもなるという別の統計もあります。 「パリ協定」では、温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質ゼロにすることなどを目標に掲げていますが、これを受けて世界の 122 の国と地域が 2050 年までの実質ゼロを目指しています。菅首相も所信表明演説で、この目標に言及し、「脱炭素社会」の実現に向けて意欲を示されています。 最近の建設業界では、エネルギー効率とサステナビリティを柱とする LEED ( Leadership in Energy and Environmental Design )などの基準に沿って、資材の選択や建築プロセスで炭素排出量を減らす努力をする傾向が顕著になってきています。具体的な環境への影響を数値化するため、 Life Cycle Impact Asse...

コロナが変えた働き方とオフィスのあり姿

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新年明けましておめでとうございます。 2020 年は、コロナに明け、コロナに暮れた大変な年となってしまいましたが、 2021 年はワクチン接種の広がりによって希望の光が見える年になることを願ってやみません。 そんな 2021 年は穏やかな年明けになるかと思いきや、首都ワシントンはいきなり衝撃的で歴史的な年始となりました。一方で新型コロナの猛威は全土で収まらず、また変異した感染力の強い新種のウイルスも感染例が出始め、アメリカ全土では累計感染者数は 2,100 万を超え、死者数は 36 万人以上になってしまいました。日本でも年末年始にかけて感染者が急増し、 1 月 7 日には、東京、神奈川、埼玉、千葉の 1 都 3 県に 2 度目の緊急事態宣言が発令されました。 2021 年も新型コロナが経済や社会に暫く大きな影響を及ぼしそうです。 年末 12 月 29 日付の Wall Street Journal は、一般の人々が広くオフィスに戻ってこられるのは、今春遅くか夏の初めになるだろうと報じています。その中で、ワクチン接種の普及によってアメリカ人の少なくとも 65 %にコロナの免疫が出来る頃にならないと一般の人々の職場への回帰は始まらないであろうと予想しています。春の終わりから初夏にかけて、人口の 45 %程度の人々がワクチン接種を終え、その頃には既に感染した人々が 25 %程度いるだろうという計算で、両者を合わせて感染とワクチン接種の重なった人の数を引くと 65 %程度の免疫率というものです。また、この記事の中で、優秀な働き手を採用・確保しようとするアメリカの優良企業の中には、従業員に働き方と働く場所の選択肢を与える ”hub-and-spoke” 戦略を取る企業が出てきていると紹介しています。これらの企業は、本社以外に都市部に複数のサテライトオフィスを設け、(1)従来の本社への出社、( 2 )家に近い新設のサテライトオフィスへの出社、(3)家からのテレワークのどれか、あるいは組み合わせを社員に選択させる自由を与えるとのことです。 更に新年 1 月 4 日付の New York Times は、ある調査によると、 40 %近い働き手は、従来の職場は仕事の生産性を高めていないと感じており、自分の生活の場と仕事の場を選んでも能力とスキルがあれば収入に影響はない...

頑張れ!Nippon!!

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ニューヨーク市ではレストランとバーの店内飲食が 3 月から禁止され、 9 月末になってやっと最大収容人数の 25 %までが解禁されました。然しながら最近のコロナ感染再拡大を受けて、再び一切の店内飲食が 12 月 14 日より禁止。更に 12 月 16 日からの「雪警報」で、同日から屋外飲食も暫く禁止、また 12 インチ以上の積雪が予想される際は屋外設備の解体撤去をせよとの市のお達しが出て、市内のレストランは「コロナ」と「雪」のダブルパンチとなってしまいました。 和食レストランの老舗「レストラン Nippon 」は今年の初めに内装工事を完了、新装開店の矢先にコロナ感染の影響を受けてしまい、実に残念なスタートとなってしまいました。 9 月末からの店内飲食再開後は行政指導によるコロナ感染予防策を徹底したのは勿論のこと、高精度のフィルターを用いた換気システム、空気清浄機、加湿器、空気の循環を促進する扇風機などを店内に配置。更には空気中の二酸化炭素含有量を抑えることによりウイルスの感染力を軽減できることから、自発的に CO2 計測器を設置。 800ppm 以下にすることが望ましい中、大体店内の CO2 が 400 ~ 500ppm 程度に抑えられているとのことです。『ここまで完璧に予防対策を講じているところは他にはあまりないのではないか、それでも一律に店内飲食禁止は厳しすぎると思います。』と正直なお気持ちを語る取締役副社長の馬越さん。 レストラン Nippon では屋外にもテント席を設置し、多くのお客様が来店されていますが、真冬でも快適にお食事を楽しんで頂けるよう、道路の上に木の床を設置、天井にヒーター 6 台を配置しました。また密室状態にならぬよう、開閉できる窓を全面に設置し、縦横両方向での換気を可能にしています。筆者は「雪警報」前の 15 日に屋外の席で実際に昼食を取りましたが、店内と変わらないほど温かく快適に美味しい和食を楽しませて頂きました。 ある調査では、最近のコロナ感染の 75 %程度は家庭内での感染で、レストランなどでの感染は 2 %以下に留まっているとの結果も出ています。確かにマスクを取っての外食は感染が心配になりますが、「レストラン Nippon 」のように十二分な感染予防対策を取られているレストランやバーには一日でも早い店内飲食の再開の日が来る...

2種類のワクチンに期待高まる!

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早いもので今年もあと余すところ 2 週間、寒さも一段と厳しくなり、例年であればニューヨークのロックフェラーセンターの前のクリスマスツリーのあたりには大勢の人々が集い、クリスマスギフトを買う家族連れなどで街中が賑わっている、一年でも一番華やかな季節です。しかし、今年のアメリカは、感謝祭(サンクスギビング休暇)のあと、コロナ感染が爆発的に増え、累計死亡者も遂に 30 万人を超えてしまい、暗いホリデーシーズンを迎えざるを得ません。 そんな中 12 月 11 日には米大手製薬 Pfizer とドイツの BioNTech が共同開発したワクチンが米国で最初に承認され、 12 月 14 日には医療従事者を中心に接種が始まりました。また、米国食品医薬品局( FDA )は 15 日、米大手バイオ製薬 Moderna のワクチンの分析結果を公表し、緊急使用許可の承認を求める基準を満たしていると評価し、早ければ 18 日にも緊急承認される見通しです。これらワクチンの予防効果はこれから実証されていくことになると思いますが、多くの一般の人々がワクチンを接種できるようになるまでには残念ながら数か月かかる見込みです。 感染症のワクチンの承認には通常 10 年程度かかるといわれていますが、今回は緊急使用許可という承認ではありますが、 10 - 11 か月で承認がおりたのは驚異的といえます。しかも 1 つの感染症に対して 2 つのワクチンが同時期に承認されるのは異例で、それだけ今回のコロナ感染が非常事態であることを物語っています。年内の供給量は、 Pfizer/BioNTech 製は最大 5000 万回分、 Moderna 製は 2000 万回分(米国向け)を見込んでいますが、 2021 年は夫々最大 13 億回分と 5 ~ 10 億回分で両方を合わせると最大 23 億回分となります。 2 種類のワクチンは夫々 3 ~ 4 週間の間隔で 2 回接種する必要がありますが、予防効果は 94 ~ 95 %と高く、感染収束への期待が高まっています。

「心機一転」? お部屋も「新気一転」

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  アメリカならではの感謝祭(サンクスギビング休暇)も終わり、早いもので慌ただしい「師走」に入りました。 2020 年はコロナに明け、コロナに暮れるという大変な年でしたが、日本でも首相が代わり、アメリカでも(おそらく?)大統領が交代し、 2021 年には新政権が誕生する節目の時期になりました。残念ながらここアメリカではコロナが更に爆発的に感染拡大しそうな様相で、また社会の分断もさらに深刻化しそうな状況ですので、なかなか「心機一転」という気分にはなれない方も多いのではないでしょうか? そんな中で明るいニュースといえば、コロナ予防の幾つかのワクチン開発が急速に進み、アメリカの大手製薬会社 Pfizer がドイツの BioNTech と共同開発したワクチンが 12 月 2 日にイギリスで緊急承認を得たことかと思います。他にもアメリカ大手製薬会社の Moderna やイギリスとスウェーデンの合弁製薬大手 AstraZeneca なども有望なワクチンを開発し、承認を得るのも時間の問題かと思います。一般の人々が接種出来るようになるにはまだ時間がかかりそうですが、まさに長いトンネルの先に光が見えてきた感があります。 コロナの影響もあり、また寒い冬場の傾向としてどうしても室内に閉じこもる時間が最近長くなっているかと思いますが、密閉された部屋の中には目に見えない危険があることをご存じでしょうか。 11 月 28 日付の New York Times は「 There’s No Better Time to Clear the Air 」と題する記事を載せて、出来るだけ外気を取り込んで室内の換気を行うことの大切さを指摘しています。 大気汚染というと工場から出る煙や自動車の排気ガスなどを連想しますが、家の床や地下室、暖炉、或いは一部の家具から少しずつ有害なガスや汚染物質が室内に入り込んでいるというのです。第一は「ラドン」と呼ばれる無色・無味・無臭の放射性ガスです。我々の住むアメリカの地下では花崗岩やあのシェールガスを含む頁岩(シェール)から放出されるウラニウムやラジウムが時を経てラドンというガスになり、床や地下室から少しづつ室内に侵入しているそうです。アメリカでは、このラドンガスは喫煙に次ぐ肺がんの第二の原因になっているということです。 第二は、各種の「かび」...