ワクチンって何?



前回のニュースレターではワクチン接種が雇用や働き方にも影響するということをお話ししました。筆者は、その後運よくワクチン接種の予約が取れ、
47日に一回目のワクチン(ファイザー社製)を接種することが出来ました。接種後は受けた方の腕に半日ほど若干の痛みを覚えた以外は特に深刻な副作用はありませんでした。

最近になって、ごくまれにではありますが、アストラゼネカ社やジョンソン&ジョンソン社のワクチンで血栓ができる副作用が発表されました。ワクチンとの因果関係は今のところ不明ですが、亡くなられた方もいるため、米国ではFDACDCがジョンソン&ジョンソン社のワクチン接種を一時中断して調査することになりました。同社の血栓の症例は、7百万件のうちの6件という極て少数ではありますが、慎重な対応が接種の中断期間を長引かせる可能性もあります。また、この症例がワクチンへの猜疑心を助長して、ワクチン接種の進捗を滞らせるのではないかという懸念も出ています。現在世界中でワクチン接種が進められていますが、今後もその効果や副作用への慎重な見極めが必要なようです。
そもそもワクチンとは、様々な感染症の予防に用いる医薬品ですが、この名称は、ラテン語のVacca(ワッカ=雌牛)に由来し、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛から取られたため、この名がつけられたそうで、日本語のワクチンはドイツ語(Vakzin)の発音から来ているようです。
一般的に『ワクチン』と呼ばれるものには従来以下の2つがありました。

(1)生ワクチン
(2)不活性化ワクチン

生ワクチンは感染力があるウイルスを弱毒化して体に入れる、というもので、代表的なものには、水ぼうそう・おたふくかぜ・風疹ワクチンがあります。実際に感染させるため、強力な免疫をつけることができます。
不活性化ワクチンは、ウィルスを感染できない残骸にした状態で投与するもので、インフルエンザのワクチンが代表的なものです。

これら従来のワクチンに対して、ファイザー社やモデルナ社は、新しいメッセンジャーRNAワクチンで、ウィルスそのものを投与するのではなく、遺伝子をコード化した物質を遺伝情報として投与するため安全とされています。この遺伝情報を筋肉注射することで細胞に情報が取り込まれ、細胞内でウィルスのたんぱく質が作られ、これが免疫を作り出すという流れだそうです。

これに対して、ジョンソン&ジョンソン社やアストラゼネカ社は、メッセンジャーRNAとは違い、ウィルスベクターワクチンと呼ばれ、ヒトに対して病原性のない弱毒性のウィルスベクター(運び手)に抗原たんぱく質の遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスを投与するワクチンだそうです。ウィルス自体が細胞に侵入し、細胞内で抗原たんぱく質を作り出し、免疫を生み出す流れです。

難しいことは別にして、この免疫を作り出す異なる手法が効果や投与の回数、副作用の程度や内容につながっているのではないでしょうか?

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