アメリカ大統領選大予想 「赤い蜃気楼」November Surprise !!

「おい、いったいどっちが勝ったんだ? 二人とも勝利宣言してるぞ!!」
「ホワイトハウスがデモ隊と警官隊で取り囲まれてるそうだ!」

11月のアメリカでは、こんな会話が飛び交っている!...かも知れません。まるで映画や小説のような光景が現実となる可能性もある今年のアメリカ大統領選、次期大統領は、果たして共和党のトランプの再選か、民主党のバイデンの勝利か?

いよいよ10月に入りましたが、これまでの大統領選では、 予想もしなかった所謂「October Surprise」11月の選挙の結果を左右することがよくありました。最も注目を浴びたのが1980年の現職ジミー・カーター大統領(民主党)とロナルド・レーガン候補(共和党)の間で接戦が繰り広げられた選挙でした。この選挙以来、この言葉はアメリカのマスメディアの間で「10月の驚く出来事」という意味で頻繁に使われるようになりました。

当時米国は、イラン革命でテヘランのアメリカ大使館が占拠され、大使館員52人が人質に取られるという大変な試練を抱えていました。19804月、米国デルタ・フォースによる人質救出作戦は失敗し、2期目を目指すカーター政権への大打撃となり、同政権の外交姿勢を「弱腰」と批判する共和党を勢いづかせる結果となりました。この事件に関して、レーガンの下で副大統領への転身を企むショージ・H・W・ブッシュと選挙チーム責任者ウィリアム・ケーシーが101819日にパリで密かにイラン政府関係者と会談、賄賂と武器供与を約束し、人質解放時期をレーガン大統領就任時まで延長するように交渉した疑惑があるとされています。この目的は人質解放を果たせないカーターの人気を落とし、「強いレーガン」を演出することであったとされました。結局カーターは敗北し、1981120日、レーガン大統領が就任し、なんと同日、人質となっていたテヘランのアメリカ大使館員らも無事解放され、生還しました。

今年は10月に何があるか全く予想がつきませんが、むしろ選挙後の11月にあっと驚く大変な事態になるのではないかとの予想もあります。今年はコロナの影響もあり、郵便投票を選ぶ人が多く、全体の3分の1がこの郵便投票を選ぶともいわれています。更にその中で民主党のバイデン候補に投票するであろう人がトランプに投票するとみられている人の2倍近いとの情報もあるようです。

それで、トランプ大統領は自分に不利になるかもしれない郵便投票の不正を執拗に批判し、敗れた際にその結果を受け入れないことをほのめかす発言を繰り返しています。また、郵便投票分の開票、計算には日数がかかり、全ての投票結果が出るのは113日の投票日よりもずっと後になるのではないかとも予想されています。

当日の投票結果はトランプに有利、郵便投票はバイデンに有利とみられているため、投票日の夜にはトランプ勝利の予想、ところが郵便投票が全部開票されるとその結果がひっくり返り、一転バイデン候補の逆転勝利という大胆な予想も現実味を帯びてきています。一部では、トランプはいち早く「勝利宣言」をするが、バイデンは勿論「敗北宣言」はせず、後日開票結果の全容が見えてきた時点で満を持して「勝利宣言」をする、しかし、トランプはそれを認めない、というシナリオも考えられています。この共和党トランプの最初の勝利をあたかも現実ではない蜃気楼のようなものだとして、「赤い(共和党の)蜃気楼」Red Mirage とも呼ぶ専門家もいます。 

さて、この予想はこれで終わりではなくまだ続きがありそうです。。。。(次週に続く)

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